CBAP合格体験記

SIerからITコンサルタントに転身したものです。

CBAPに無事合格したため、体験記を書きたいと思います。

 

CBAPとは

正式には、CBAP ®The Certified Business Analysis Professional™(以下、CBAP)です。(シーバップと読むようです)

IIBAによるビジネスアナリシスの認定試験です。

120問が出題され、制限時間は3.5時間です。ボーダーラインは公表されていません。試験結果からも推測できません。

ビジネスアナリシスが、経営課題があってそれを解決していく、というITコンサルタントの守備範囲と重なる領域のため資格取得を目指しました。(ただ、認知度は意外と低い?)

領域的に近いのがITストラテジストのようです。こちらは有名ですね。

PMPとプロジェクトマネージャ試験のような関係ですかね。

IIBA日本支部のHPを見ると、2020年2月5日時点で日本のCBAP取得者は108名203名だそうです。(2023.5.1確認時点で更新されていました。)

学習期間

  • 2.5か月
  • 92時間(正確に記録していました)

2週間ぐらい集中して試験に臨もうと思ったのですが、3か月かかりました。

私なりに分析すると、①情報が少ない(周りに取得者がいない)、②オフィシャルな情報が英語のみ、③自発的な取得目標のため厳密な期限がない、といったところです。

学習方法

  • オンライン研修
  • BABOKの読み込み

CBAPでは出願する際に、研修を受講していることが必須条件です。独学でやろうとする人も何かしら認定された研修を受ける必要があります。オンライン研修は、受け取れる情報は少ないですが、価格がかなり安いです。

私は、独学スタイルでチャレンジしようと思ったため、オンライン研修にしました。研修でしっかり知識を身に付けたい人には、集合研修が向いていると思います。

市販の教材がないか探しましたが、v2(旧バージョン)の本はいくつかあるのですが、v3(現時点で最新)の本はありませんでした。そのため、BABOK(ビーエーボック)を読み込むという学習方法をとりました。

IIBA会員

金額はコロコロ変わるようですが、IIBAの会員になった方が、試験料の割引が適用され、結果として安くなるようです。(費用が変わってもその設計は維持している様子)

試験料の割引以外にも勉強会の参加の機会などが得られるようです。

会員にならなくても出願は可能です。

出願

この試験が厄介なのは、出願方法にあると思います。研修会社も最新情報を把握していないのか、もらった情報が古く混乱しました。

基本的な流れは以下の通りです。

 

 出願(支払い)→申請内容記入→試験申請→試験日設定→試験

 

以下の受験資格を満たす必要があり、それを満たしているという記入を出願時にします。

  • 直近 10 年以内に 7500 時間以上のビジネスアナリシス業務経験(+6つの知識エリアのうち4つの知識エリアで900 時間以上の業務経験)
  • 直近 4 年の間に 35 時間以上のProfessional Development を終わらせている(研修のこと)
  • 2 人の推薦人

私は、転職した後にチャレンジしたため、前の会社の経験が多くそれを証明する人とコンタクトをとるのが心理的に面倒で、推薦人探しに少し不安を感じていましたが、推薦者は出願者のすべてのキャリアを保証する役割ではないようです。そのため、現職の上司等に推薦を依頼しました(とは言っても推薦人が起こすアクションはなく名前を使わせてもらう程度)。推薦者とは別に、業務経験時の上司の連絡先(メールアドレス)を記入する欄はありますが、基本的には連絡はいかないようです(研修会社情報)。ただ、推薦人2人にも連絡先記入欄があり、そちらにはAudit(ランダムで審査)に当たると、裏取りの連絡が行くようです。PMPと同じような感じですね(よく覚えていませんが)。

(私の場合はAuditに引っかかることなくスムーズに申請が通りました。通過する場合はすぐ通過します。)

英語でのキャリア説明

実務経験を記載する欄(Work History)があるのですが、ここに10年間のビジネスアナリシス業務を案件別に記載し、それぞれの領域別実務時間を記入します。これまでの業務を棚卸し、BABOKのフレームに当てはめて時間算出しました。概要欄に何を書くか、あれこれ悩みながらまとめたのですが、英訳して登録しようとしたところ、文字数制限があり、時間を無駄にしてしまいました。

ボリューム的には3行分ぐらいしか書けないです。そのため、どんな課題があって、どんなことをしたか、ぐらいしか書けないという印象です。

日本語受験

研修会社からの情報によると、IIBAのポータルサイト上から普通に申請を進めると英語受験となってしまうということでした。また、日本語試験だと英語受験より高いなどという情報もありました。しかし、実際はどちらも異なります(研修会社の情報が古い?)。IIBAのポータルサイト上で受験料を支払い、その後の試験日設定を行う中(PSIという試験会社のサイトに飛びます)で試験の言語を指定する欄があります。そこで日本語を指定すれば問題なく日本語受験できます。

自宅受験

試験日設定の時に、どこの会場で受験するか選べます。試験会場の方が集中できるかとも考えましたが、試験会場のほとんどが狭くあまり集中できないと感じたため(他の試験の経験上)自宅受験を選択しました。

以前、コロナが広まり始めた時期にITILの試験を受けたことがあり、その時は自宅受験一択でした。その自宅受験の経験もあり、英語でのやり取りが若干面倒だとは思いつつも、CBAPの受験も自宅受験にしました。

ITILの時は、試験開始前にビデオ通話で説明があり(ゆっくり話してくれる)、試験中はほぼノーコミュニケーションでした。今回のCBAP(PSI)では、オンラインでのやり取りではなく、ガイダンスに従って、パスポートを見せたり、部屋の様子を録画したり、という形でした。一通り、ガイダンスに沿ったアクションを行った結果、OKなり不備を指摘されてやり直すという形でした。音声でのやり取りは一切なく、チャットのみのやり取りだけでした。

私の場合、パスポートをWebカメラで撮影してもピントが合わずに試験前確認のOKが通りませんでした。そのため、別のノートPCから再接続してチェックのやり直しを行いました。(2時間近く試験開始が遅れました)

事前にPCのスペックやAppの権限変更をする必要があるため、自宅受験をする人は、事前に複数PCでアクセスできるようにするとよいと思います。

試験

BABOKにある記載を問うような問題はなく、かなり応用的でした。ケースは40問近くあり、それ以外の問題もケースほどのボリュームではないですが、説明内容からどのタスクの話をしているか読み取り、それに紐づくインプットやアウトプット、ツールなどを思い出せないとつらいと思いました。ただ、経験的常識から答えられるものもあるかなと思いました。(正解の自信は持てませんが)

最後に

情報量が少ない試験のため、私の経験が皆さんのお役に立てば幸いです。