(1)ビジネスアナリシスの計画とモニタリング
- 整理の仕方
- この章全体の解説
- 1.ビジネスアナリシスアプローチを計画する
- 2.ステークホルダエンゲージメントを計画する
- 3.ビジネスアナリシスガバナンスを計画する
- 4.ビジネスアナリシス情報マネジメントを計画する
- 5.ビジネスアナリシスパフォーマンス改善策を特定する
整理の仕方
まず、各知識エリアの整理の仕方は、タスクとそのインプット、アウトプットを整理します。欲を言えば、ガイドラインとツールも整理した方がいいのですが、情報が多くなり理解のスピードが遅くなるため、タスク・インプット・アウトプットの3つを覚えてください。インプット・アウトプットは他のタスクと関係するため、これらを整理するだけでも全体を深く理解することができるようになります。
この章全体の解説
この知識エリア(ビジネスアナリシスの計画とモニタリング)では、イニシアティブの計画と管理を扱っています。
1.ビジネスアナリシスアプローチを計画する
ニーズをもとにイニシアティブをどのようなアプローチで行っていくかを定義します。
アプローチの中での大きな選択では、予測型か適応型か(ウォーターフォールで行くのかアジャイルで行くのか)を決めるというのがイメージしやすいでしょう。実際はこの2択で決まるものではなく、プロセスやテンプレート、成果物などの定義を行います。
ビジネスアナリシスのアクティビティもここで特定します。多くの場合では、都度都度特定するというより、組織の方法論(テンプレート化されたリスト)を採用することが多いです。
決定したアプローチに基づき、いつ何をするかの計画を立てます。この時には、リソースや他のイニシアティブ、優先度などを考慮します。
また、複雑さやリスクによりアプローチが修正されることがあります。
作成したビジネスアナリシスア(BA)プローチ計画は、主要なステークホルダに合意される必要があります。以下の点について合意を得ます。
- BAのアクティビティを特定
- 現実的な見積もり
- ステークホルダの役割と責任
レビューの中で上がった課題はビジネスアナリストが文書化し、解決を模索します。
2.ステークホルダエンゲージメントを計画する
ステークホルダの分析を行い、コミュニケーションアプローチを定義し、リスクへの対応計画を立てることが重要です。
注意点は、ステークホルダ分析は繰り返し実施されることです。最初に分析をして終わりではありません。
まずは、ステークホルダリストを作成し、誰が存在するかを明らかにします。さらに権限と責任やステークホルダに与える影響、ステークホルダがもたらす影響も整理します。ステークホルダを洗い出すうえでは、企業の組織図やビジネスプロセス、スポンサーの助言が参考になります。
ステークホルダとのコラボレーションは多くの場合、計画に行います。そこで、コラボレーションのアクティビティと成果物の定義を行います。
コミュニケーションの考慮事項が満たせているかビジネスアナリストはチェックし、コミュニケーション計画書へ反映します。
3.ビジネスアナリシスガバナンスを計画する
ビジネスアナリストは、次の4つを定義します。
意思決定のプロセス、変更管理プロセス、優先順位付けプロセス、承認プロセス
4.ビジネスアナリシス情報マネジメントを計画する
BA情報をどのように保存し、アクセスするかのアプローチを計画します。ビジネスアナリストはBA情報を整理する責任を持ちます。
5.ビジネスアナリシスパフォーマンス改善策を特定する
パフォーマンス分析はイニシアティブを通して行われます。まずは、パフォーマンス測定項目を確立し、監視、分析して改善策を検討していきます。
パフォーマンスという言葉からソリューションのパフォーマンスを連想するかもしれませんが、ここでは、ビジネスアナリスト(ビジネスアナリシス活動)のパフォーマンスをイメージした方がよいでしょう。測定項目とすることで行動を推奨することもあれば、妨げることもあるので注意して設定する必要があります。
なお、次の測定項目の例は試験に出る可能性があります。
- 正確性と完全性/知識/効率性/組織のサポート/重要性/戦略性/適時性
パフォーマンスの分析は受益者であるステークホルダの観点で評価されます。
改善の対策は以下の3つに分類されます。
- 予防:マイナス影響の発生確率を減らす。
- 是正:マイナス影響の度合いを減らす。
- 改善:プラス影響の発生確率や度合いを増やす。
以上が、「ビジネスアナリシスの計画とモニタリング」エリアのまとめです。